幕末怪異聞録




パキンッ……!



「――――え?」


「―――えぇ!?」


軽やかな音が鳴り響き、時雨は刀を抜こうと構えたが肩透かしを食らった。


そんな音の正体は……



「―――テメェ、何で鬼尋坊折ってんだよ…。」


西沢が自ら鬼尋坊をへし折ったのだ。


今まで血なまこになって探していた物が、あっさり折られたのだ。


何とも言えぬやるせなさが時雨の中にあった。


だが、これで呪いから解放される。

そう思った矢先―――



ドクッン……!



「―――!?」


「時雨?」


時雨は、全身の血が熱くなる感覚に陥った。


(――な、何だこの感覚…。)


耐えられなくなり、膝を付き頭を垂れると、はらはらと落ちる髪が黄金色となり、どんどん伸びていったのだ。