「よっしゃー!次は左之だ!」
「俺!?」
時雨に指さされた原田は、「仕方ない」と言わんばかりの表情を浮かべて時雨の手を握った。
「――!?
こりゃ総司が負ける訳だ。」
「時雨に舐めてかかると痛い目に合うってことだよ。池田屋の時の僕みたいにね。」
「……だから悪かったって言ってるじゃん。」
笑顔で皮肉を言われた時雨は罰が悪そうにした。
「それじゃあ、用意…始め!」
同時にグッと力を込める二人。
その力は拮抗しており、グラグラと振れるばかりだった。
持久戦になると自分の方が不利であるのは百も承知であった時雨は、奥の手を使おうと息を大きく吸った。
「左之が今口説いてるのは島原の太夫で、最近振られたとこ―――」
「だぁぁああ!!てめぇ何でそれ知って――!!」
バンッ――!!
「勝者時雨!」
「あ――。」



