幕末怪異聞録



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かくして腕相撲大会が開かれたのだが…。


まず最初に餌食にあったのが、沖田だった。


「まずは総司、お前からだ。」


「僕、病み上がりなんだけど。」


「大丈夫だ。私も病み上がりだ。」


そう言って寝転がって右手を差し出す。


沖田は「何が大丈夫なんだよ。」と思いながら寝転がって時雨の右手を掴んだ。


「――!!」


「ん?どうした?」


小首を傾げる時雨に気取られないように沖田は笑って「何でもない。」と言った。


(これは―――……)


「それじゃあ、用意……始め!!」


原田のかけ声に二人はグッと力を込めた。


―――ペタッ……


「――時雨の勝ち!」


「何てことないな。」


(時雨、本気で強い!!)


あっという間に沖田に勝ってしまった。