幕末怪異聞録



永倉の心意が分かった沖田はため息をつき、軽蔑するかのような目を向けた。


「新八さん、それは武士(オトコ)のすることでは……。」


「あぁん?今なら楽に勝てんだろ?」


「いや、新八。そりゃ卑怯ってやつだぜ?今時雨はただの女なんだぞ?」


「んー……。そりゃそうか。女に勝ってもあれか…。」


口々に好き勝手言う三人(言っているのは二人だが…。)


それを黙って大人しく聞いていられる時雨でもなかった。


―――プツンッ……。


「――私が、今の私がてめぇらに勝てねぇ…だと?」


「そりゃそ――……。」


言いかけた永倉は次の言葉を発する事ができなかった。


「じゃあ、腕相撲やってやろうじゃんか。」


いるはずがない龍が時雨の後ろに見えたとか見えなかったとか…。(どっちだよ。by時雨)