幕末怪異聞録



「蹴り飛ばした事か?ただ単に総司が軽かっただけだろ。」


「誰が軽いって?」


軽口を叩く時雨にムッとした沖田は、とびきりの笑顔に殺気を込めた。


「あっはっはっ!
冗談だよ!冗談!!」


「冗談じゃなかったら僕、組長の面目丸つぶれじゃないか。」


そう言って拗ねる沖田に時雨は「ごめんごめん。」と笑みを向けたのだった。


「―――半分龍の血が流れているせいで昔から力が強かったんだ。新選組(ここ)にいる奴らに負ける気がしないもん。」


「へー……。すごい自信だね。左之さんとか新八さん、結構力強いよ?」


「確かに強そうだけど、負けないね!」


江戸にいた頃、村の男の子を全員負かしたことがあるのだ。

だから此処でも負ける気はしなかったのだ。


ふふふっと笑っていたら急に襖が開いた。


「ちょっと待った!」


「そんなに言われちゃあ黙ってらんねえな!」


話を聞いていたのか、入ってきたのは原田と永倉だった。