幕末怪異聞録



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スッ……


土方とつまらん漫才をやった時雨が次に訪れた部屋は、沖田の部屋だった。


「――時雨、いきなり入ってこないでよ。吃驚するじゃん。」


「ん?起きていたのか。
てっきり寝ているもんだと思ってあえて声をかけなかったんだよ。すまなかったな。」


「ううん。別にかまわないよ。それよりどうしたの?」


時雨は沖田のそばによるなり手を握り、頬に手を当てた。


「え?な、何!?」


「―――うん、熱もなさそうだな。」


池田屋事件の時沖田は、熱にやられ(いわゆる熱中症)倒れたのだ。


心配だったので様子を見に来た時雨だが、存外元気良さそうなのでホッとしたのだった。


沖田はというと、時雨のいきなりの行動に心臓が大きく跳ねたのだ。