治りが早いとはいえ、流石に妖刀で斬られた傷は致命傷となり、時雨の体力を奪ったのだった。


「おい、大丈夫か?」


「うん、大丈夫ではない。些か血を流しすぎた。少し寝させてくれ……。」


そう言うと静かに目を閉じた。


土方は規則正しい息が聞こえるのを確認したら、隣に移動し、そこで仁王立ちになった。


時雨が目を覚ますまで隣から離れようとはしなかった。


それは時雨が生きているかどうかを逐一確認するためであった。




――こうして新選組は九名討ち取り、四名捕縛した。


そして闇討ちを恐れた土方は屯所への帰りを正午とし、それまで池田屋で過ごしたのだった。


この池田屋事件により、新選組の知名度は上がり、少なからず認められた。


しかし、京の人々からすればただの人斬り集団で、更に忌み嫌われることとなるのだった――――