「ん?いつまで京にいるか分かんねえから、あの家に住んでたんじゃ……?」
確かに一ヶ月前、そう言って小民家に住み着いていたわけだが……。
そんな狼牙の言葉に時雨は唇を尖らせた。
「だって宿賃はかまわないって言ってたし……。
それに、仕事だ。」
ニヤリと笑う時雨にため息をつく狼牙。
「また“それ”かよ…。」
“それ”とは、仕事ついでにその家にお世話になることだ。
新選組でお世話になる前もその前も、京に来る間そうやって生活していたのだった。
「慣れっこだろ?
それまで甘味屋行って団子でも食べよう?」
ニシシッと笑う時雨は、狼牙の腕を引っ張った。
「分かった分かった。
全く……。
甘味に目がないんだからなぁ…。」
こうして二人は甘味屋に向かったのだった。



