幕末怪異聞録



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「うーん……」


ぐっと伸びをして起き上がる時雨。


あれからうろうろしていたら今は誰も住んでいない小民家を発見し、そこで一夜を過ごしたのだった。


「この布団カビ臭いが干したらなんとかなりそうだな……。」


「え?ここに住むの?」


「間借りだよ。
京にどれ位滞在するかまだ決めてねえから宿とるのがもったいねえだろ?」


「確かにそうだけどよ……。」


「じゃあいいだろ?」


そう言って外へ出ると、雪は少し残っているが幾分溶けており、とても気持ちの良い天気であった。


「―――良い景色だ……。」


来たときは暗くてあまり分からなかったが、新選組の屯所がある壬生から更に山手側で、近くに小川が流れていた。


(私の家もこんな所にあったな…。)