幕末怪異聞録



不服そうな時雨の手を掴み、脇差しを握らせた。


「お前に太刀なんぞ渡したのがそもそもの間違いやったんや。
また太刀を渡せばお前は無茶すんだろ?
母ちゃんに怒られるんは俺なんやで?
大体、女は守られてなんぼ!
今回またえらい人間の男のにおいつけとるが……

ええ男か!?」


ニヒヒッと笑う父にジロリと面倒くさそうな目を向ける娘。


「せめてもう少し長い脇差しがよかったよ。わざと短いの寄越しやがって……。

それと、男のにおいの正体は新選組。さっきまでそこにいたからね。」


そう言いながら脇差しを収める時雨。


そんな時雨の様子を見た父は、眉間に皺を寄せた。


「時雨。
おめぇ、また妖力が弱くなってねえか?」


「その代わり霊力が強くなってるでしょ?」


ニコッと笑う時雨に父は面食らってしまった。