幕末怪異聞録



土方と西沢の力は拮抗しているのか、一向に決着がつきそうにない。


(私に力があれば……。)


昔と変わらぬ自分の無力さに腹が立ち、手を握り締めた。


「―――えっ…?」


「どうしたの?」


驚いたように空を見上げる灰鐘に沖田もつられて空を見上げた。


驚いたのは束の間、見る見る灰鐘の顔は青くなった。

それは狼牙も然り……

デカい身体を小さくしていた。


「もしかして……だ…よね…?」


「もしかしてだな……。」


見上げていた空が段々どす黒くなり、ゴロゴロと雷を鳴らしている。


『―――――れー……。』


「やっぱり来た。」


灰鐘の顔が些かいやな顔をしていた。


すると空から大男が降ってきた。


『しーぐーれーーー!!』



「……。」