幕末怪異聞録



「時雨大丈夫か!?」


狼牙は西沢から隠すように灰鐘を背にした。


「大丈夫だ……。
が、何故お前すぐに来なかった?」


土方も来るのが遅かった。

それが疑問でならなかった。


「あぁ……。
時雨が斬りかかった途端、結界が張られて中庭に出れなかったんだ。
困っていたら結界が少し緩んだ隙に入ったんだ。」


(結界が緩んだのはきっと、私の結界にあいつが触れたときだろうな……。)


そう思いながら土方に目を向けると西沢と互角にやり合っていた。


「あいつ、あんなに強かったのか…。」


「一応新選組の副長だからね。」


「総司!」


気付けば横に沖田が立っていた。


(いつからいた…?)


少しビックリしたものの、やはり土方の方が気になるためすぐに土方を見た。