幕末怪異聞録



ドサッ!!


「げほっ!げほっ!」


地面に叩きつけられた灰鐘はゼーゼーと息をし、西沢を睨みつけた。


『やはり連れて行くには些か眠らした方が楽そうだな。』


「黙れ!!誰が連れて行かれるか!」


『威勢だけは……良いな――!!』


そう言い、西沢は刀を峰に返し、下段から振り上げるように灰鐘を狙った。


(やられる――!!)


そう覚悟し、目を瞑った。


キーン!!


「――なに人の庭で暴れてんだ……!」


「―――土方!」


いつもと変わらぬが、些か土方の声色に怒りを感じた灰鐘は、立ち上がろうとした。


「ったく!こいつの始末が出来ねえならそこで座ってろ!」


「なっ……!」


土方の言い方に少しムカついたが……

確かに今の状態では足手纏いにしかならないため、灰鐘は後ろに下がった。