「時雨…。
お前、お梅さんを斬るつもりなかっただろ?」
「当たり前だ。
あの人は私と同じだったからな…。救ってやりたかった。」
「それは多分お梅さんにも伝わってるよ。」
「そうだといいな。」
そこまで言うと、灰鐘は横に置いていた太刀を取り、立ち上がった。
狼牙も立ち上がり、毛を逆立てた。
「来たな……!」
スパーン!!
勢いよく襖を開けた先には笑みを浮かべた一人の男が中庭に立っていた。
「西沢あぁ!!」
灰鐘は太刀を抜き、西沢に斬り込んだ。
ガキンッ!!
『久しいな…。時雨。
お前の黒髪姿を目にするのは二度目か……。』
「黙れ!!」
余裕の笑みを浮かべている西沢に更に苛ついたのか、眉間に皺を寄せた。



