――『バカふたりが、いつかもう一度、幸せになれますように』 その願いにどんな想いがこめられていたのか。 今ならわかるから、なおさら切なくて、胸がいっぱいになって。 ――『やっぱりまだ……俺、そういう気持ちになれそうにないんだ』 立ち止まりながらも進もうとするアキの、一番そばにいたいと願ったんだ。 ――『ここにいて』 今もハッキリと思い出せる。 迷子になって震える子どものような、不安げな横顔も、つないだ手の冷たさも。