「あ、あいつが何か…っ?」 「俺さぁ、前に名前聞いたことあるって言ってたじゃん?」 「え、はい」 先輩は右手を自分のあごにそえて、学食内のアキに目をやる。 「思い出したよ。 俺のイトコで神奈川の女の子がいるんだけど、同じ高校だったんだ。年齢も一緒」 神奈川……。 たしかに、アキは神奈川の高校に通ってたって言ってたけど。 「でも……どうしてそれで先輩までアキを知ってたんですか?」