亜美の指差す先を目で追っていくと……。 -ゴシゴシ- 思わず目を擦ってしまう。 だってな? 何でこんな場所に ラブホがあんねやーーーっ!? 「あそこって……あれ何する場所か分かってんのか?」 寂れた玄関に光る《桜散る》の文字。満室の時は《桜満開》の文字が準備されているそのセンスにもがっかりやわ。 一人葛藤する俺の手を握ると亜美はにっこり笑った。 「あたし、龍だったらええよ?」