調理実習室は隣の校舎にある。 外通路を抜け一旦屋外へ出ると柔らかな風が吹き、透の細くて茶色い髪がそっと揺れる。 「龍は料理下手そうやんなぁ?」 太陽を背にして眩しく光る。 また……無邪気ににっこり笑いかける。 荷物は俺が持っているから身軽な透は背中で腕を組んでぶらぶらと嬉しそうに歩く。 -ズキン- 何もない。 ただよくある学校の風景。 なのに……締め付けられるようなこの心臓の痛みはなんなんやろう?