彼らは一層深まった愛情を胸に秘めながら、岸へと向かいました。




しかしその時――――




大きな波が二人を襲いました。








少女が目を覚ますとそこは陸でした。



次に気付いたのは、彼がいないこと…――――。




ひどく疲れた身体を無理やり起こし、膝立ちをしながら氾濫の川へ向かっていきました。



相変わらず茶色く濁った水が音をたてて流れていきます。





少女は呆然と川下の方を見ました。





どこまでも流れる川の向こうしか見えません。






この状況が、少女に全てを語りました。