しばらく無言で本を読んでいた。 ただのクラスメートってだけだし、此処へは本を読みに来たのだから話す必要は無い。 キーンコーン、カーンコーン チャイムが鳴り、時計を見上げると、朝のホームルームの時間だった。 「あれ………?」 鮎沢さんを見ると、まだ読書している。クラス…戻らないのかな……? 「鮎沢さん?」 「はい。」 そう言って鮎沢さんは、本から顔を上げる。 「クラス……戻らないの?」 そう言うと、鮎沢さんは困惑したように俯いた。