「柚ちゃん。目を閉じたら、何が見える?」 柚ちゃんは両手で目を押さえた。 「何も見えないよ!」 その言葉に、あたしは頷く。 「この世界には、こうやって、真っ暗で、何も見えない中で生きてる人もいるんだよ。」 「え!?本当に!?」 柚ちゃんは驚いたように、目を見開く。 「うん。柚ちゃんはお兄ちゃん達の顔とか、何にも見えなくなったらどう思う?」 「嫌だ!!寂しいもん…。」 柚ちゃんは悲しそうに俯いた。