川原に着くと、陽の後ろ姿が見えた。その背中にゆっくりと歩み寄る。 「…ふぅ………。」 呼吸を整え、陽へ向かって手を伸ばす。 「……馬鹿………。」 後ろから陽をそっと抱きしめた。 陽の肩がビクッと震える。 「…来て…くれたんだな…。」 陽は振り返り、笑顔を浮かべる。 「…陽……あたしは…。」 「…俺から言わせて……。」 陽に言葉を遮られ、あたしは口を閉じた。 「幸……。俺、幸が好きだ。それ以外の理由なんて無い。」 陽は真剣な瞳で、あたしを見つめる。