「いや……。本読んでる時の漣って…。なんていうか………。」 そこまで言って坂原は、後頭部を掻く。その顔は少し赤いようにも見えた。 「…………何?」 あたしははっきりしない坂原にイライラしてキッと睨みつけた。 「いや、何でもない!!」 坂原はそう言って時計を見上げた。 「そろそろだな!次体育か。三年合同らしいぞ。漣は?次出るの?」 体育………。時間……過ぎるの早かった。 いつもは長く感じるのに。 「……………出る。」 あたしは本を閉じて鞄を持ち上げる。 今日は……。また晴れか…。