「……そうだよ……。お姉ちゃんは目の病気だった。光は病気の進行を早めるからって、光を避けてた。」 それだけ言って、望はあたしの手をとった。 「…あたしは…お姉ちゃんに思い出してほしくない。だから…ここまでしか言えない…ごめん…。」 そう言って部屋を飛び出した。部屋にはあたしだけが取り残された。 「あたし…何を忘れちゃったの……?」 思い出す事…。それを、家族の皆は望んでいないの? あたしは部屋を見渡す。本が沢山あった。 立ち上がってその本を開く。