「………あ…の……。」
沈黙に耐え切れず声をかけると、坂原は真剣な顔つきでそのお題の紙を見つめていた。
「このまま行こう。」
そう言ってあたしの手を引き、走り出した。
「……はぁっ……はっ…」
無言で坂原の背中を見つめる。『このまま行こう』って…。
どう意味で言ったの…?
「お題を見せて〜!」
ゴールまであと数メートル。お題の確認ポイントについた。
「はい。」
坂原は迷わず紙を渡す。確認係の生徒は、あたし達を交互に見てニヤッと笑った。
「羨ましいねぇ〜。お幸せに!」
そう言って見送られた。
なんだかいたたまれない。お幸せに……か……。