ラウノはハッとして目を覚ましました。


急いで隣を確認すると、ルイスがいません。


まさか、再びどこかへ行ってしまったのか?


急に不安になって体を起こし、「ルイス」と小さな声で呼ぶと



「はい。」


美しい声の主は窓辺に立ち、こちらを振り返っていました。


「ルイス・・・・・・」


ラウノはゆっくりと立ち上がり、ゆっくりと近づきました。


以前に、同じ場面でルイスが消えてしまったことがあったからです。


ですが、今回は違いました。


近くに行っても、ルイスは消えませんでした。


「ルイス・・・」


ラウノは慎重に、優しく包み込むようにルイスを抱きしめました。


「ラウノ様・・・」


ルイスもラウノの背中に腕を回し、抱きしめました。



やっと帰ってきてくれたルイス。


ラウノは、色々な感情が交ざって、瞳からは涙が零れ落ちました。



そして、ただただルイスに「ありがとう、ありがとう」と、何度も呟きました。



ルイスも、「あなたの声はいつも届いていました。ありがとうございました。」

と、言いました。