さっき起きたばかりなのにな。目を閉じようとした瞬間、

声は聞こえなかったけれど必死に心配する海理の顔が見えた……気がした。


「気付いたか?」


次に目を覚ました時、その優しい声が聞こえたかと思えば手に暖かい感触が伝わって来た。

どうやら服もきちんと着せてくれたようだ。裸のままだったらどうしようかと思った。


「……海理」

「すぐに気付いてやれなくて済まなかったな。あいつらが入ってきてやっと気付くとは情けない」


あ、何か凄い珍しい海理が目の前にいるような気がする。

こんなに心配して、謝罪する海理なんて見た事がない。

今日は雷か? しかも手、ずっと握ってくれていたようだし。

また仕事を放って俺に構っていたのか?