「……明日になったら必ず教えるなんて誰が言ったかのう」

「何だって!?」

「か、海理様落ち着いて……」

「お約束、なされたのではなかったのですか?」


そうだ、確かに今日になったら確実に教えるだなんて約束はしていない。

だが、それでも……。最愛の人間一人と大勢の同胞の命が懸っているんだ。

そんな細かい事なんてどうでも良い!


「ワシ達も命が懸っておるからのう……焦る気持ちは分かる。
じゃが……お前に出来るのか?」

「……何をだ?」


「此処から十八里(約七十.二キロメートル)離れた場所にある湖の水を、
お前は採りに行けるのかと聞いているのじゃ!」