15歳のラビリンス



「増田がいなくなったら一気に静かになったな」


「だよなー」



笑いながらジンが言うと、飯島くんと工藤くんも同調するようにうなずいた。


カンナを一人で行かせた事に少し後悔し始める私。



この空間に一人ってちょっと嫌かもしれない……。




「あれ?美織ー。ひとりー?」



ふいに名前を呼ばれて顔を上げると、彩乃が周りをキョロキョロしながら声をかけてきた。


ちょっと天の助け!と思ってしまった私。



「ううん。カンナがマック行っちゃったから……」


「ああ、カンナ、マック行ったんだ?すっごい自転車とばしてるの見たからどうしたのかと思って……」



彩乃はそう言いながら、私の今いる状況を見て苦笑した。