「じゃあな、美織。今日はサンキューな」 「あ、うん。えっと、ジン……!」 仁哉君と言おうとして、なぜか途中で名前を止めてしまった私。 彼は方向転換をした後、私の方を振り返った。 「いいよ、ジンで。名前のようで名前じゃないからそのほうが呼びやすいだろ?」 「あ、いや、これは……」 「ジンって呼んだのは美織が初めてだ」 そう言って、彼は自転車をこぎだした。 後ろ姿が見えなくなるまでその場所に立ちつくしてた私。 見えなくなったあと、慌てて家に帰った。