「あ、ごめん。ここでいい」 「あ、そう?」 私が言うと、仁哉君はブレーキをかけて自転車を止めた。 止まったのを確認して仁哉君の後ろからおりる。 家の前ではない。 お母さんが見ているかもしれないから、家から見えない近くの公園でおろしてもらった。 「ありがとう。助かっちゃった」 「いいよ、別に。また乗りたくなったら言えよ」 「……え?」 その言葉に深い意味はないんだと思う。 きっと、彼は私だけじゃなくて誰でも後ろに乗せてるはず……。 わかってて私はうなずいた。