入退場門で、走る順番に並んだ。
当たり前だけど私はジンの後ろ。
女子は半周だけど男子は1周。
スタート位置が同じだから、ジンが走るまで私は常にジンの後ろに並んでいなきゃならない。
こんな近くでジンを見たのってどれくらいぶりなんだろ。
夏休み明けにいきなり金髪にしてきたおバカなジン。
先生にめちゃくちゃ怒られたのか、今は金じゃなくて茶色。
ところどころ傷んでるように見えるけど、ちゃんと手入れしてないのかな…?
そんな事を思いながら、ジンの後頭部を見てたら、急に彼が振り返った。
思いっきりバチッと目があってしまう。
…気まずい…。
予想してなかったから目をそらす事もできないでいた私。
「お前、コケんなよ?」
「…え?」
そんな私を見て、奴は笑いながらそう言った。
以前と同じような優しくてやわらかい笑顔で…



