15歳のラビリンス



入退場門で、走る順番に並んだ。

当たり前だけど私はジンの後ろ。


女子は半周だけど男子は1周。

スタート位置が同じだから、ジンが走るまで私は常にジンの後ろに並んでいなきゃならない。


こんな近くでジンを見たのってどれくらいぶりなんだろ。


夏休み明けにいきなり金髪にしてきたおバカなジン。

先生にめちゃくちゃ怒られたのか、今は金じゃなくて茶色。

ところどころ傷んでるように見えるけど、ちゃんと手入れしてないのかな…?



そんな事を思いながら、ジンの後頭部を見てたら、急に彼が振り返った。


思いっきりバチッと目があってしまう。



…気まずい…。


予想してなかったから目をそらす事もできないでいた私。



「お前、コケんなよ?」

「…え?」



そんな私を見て、奴は笑いながらそう言った。



以前と同じような優しくてやわらかい笑顔で…