15歳のラビリンス



バカみたい。

やっぱり、あきらめるなんて無理に決まってる。


当たり前の事をしただけでも、ドキドキしちゃうんだもん。



…私が1年遅く生まれてたら、こんな事なかったかもしれないのにね…。







「美織、しっかりねっ!」

「…うん…」



体育祭はいよいよラストの競技を迎える。

紅白対抗リレー。


彩乃はグッとこぶしを作って私の背中をポンと押した。



「転ぶなよー。転んだら笑ってやるよ」

「…うっさいな」



入退場門へ移動する途中、貴昭にからかわれた。

ジンはすでに移動しているようだ。



深呼吸をすると、私は入退場門へと急いだ。