15歳のラビリンス



各クラス、朝のSHRを終えると、自分の椅子を持ってグラウンドへと移動する。

各学年、クラス共に紅白に分かれて指定の場所に椅子を並べた。


私のクラスの隣は2年3組の紅組が椅子を並べてる。

ジンは少し離れた場所に貴昭と並んで座って爆笑していた。



「もーっ!仁哉ジャマすぎ!私が貴昭と並んで座ろうと思ったのに!」

「…言ってくればいいじゃん。どいてくれるよ、きっと」

「いいのいいの。並んで座ったら目立っちゃうし」



…じゃあ、最初から言わなきゃいいのに。

そう思いながら彩乃を見て思わず苦笑い。


さりげなく隣りに椅子を移動させるつもりだったみたいだから、その計画が狂って彩乃は少し不機嫌そう。



正直、ジンが少し離れていてくれて助かった。

こうちゃんがいればまた違うけど、彼は白組だし、ジンがすぐ近くにいたら、嬉しいような気まずいような…かなり複雑な心境だった。




こんな感じで体育祭が始まった。