各クラス、朝のSHRを終えると、自分の椅子を持ってグラウンドへと移動する。
各学年、クラス共に紅白に分かれて指定の場所に椅子を並べた。
私のクラスの隣は2年3組の紅組が椅子を並べてる。
ジンは少し離れた場所に貴昭と並んで座って爆笑していた。
「もーっ!仁哉ジャマすぎ!私が貴昭と並んで座ろうと思ったのに!」
「…言ってくればいいじゃん。どいてくれるよ、きっと」
「いいのいいの。並んで座ったら目立っちゃうし」
…じゃあ、最初から言わなきゃいいのに。
そう思いながら彩乃を見て思わず苦笑い。
さりげなく隣りに椅子を移動させるつもりだったみたいだから、その計画が狂って彩乃は少し不機嫌そう。
正直、ジンが少し離れていてくれて助かった。
こうちゃんがいればまた違うけど、彼は白組だし、ジンがすぐ近くにいたら、嬉しいような気まずいような…かなり複雑な心境だった。
こんな感じで体育祭が始まった。



