「…彩乃…。古すぎて恥ずかしくない?」
「何言ってんの。体育祭だよ?お祭りだよ?」
「いや、祭りだろうとなんだろうとそれはちょっと…」
「いいからいいから。じゃあ、美織には『生涯仁哉命』とか描いてあげるから」
「やだ」
みんな描いてるから恥ずかしくはないんだろうけど、見るとドン引き…。
…ってか、気合い入りすぎ…。
彩乃からの攻撃を何とかかわし、紅色のハチマキを頭に巻いた。
中学最後の体育祭。
思い出に残るものになったらいいなって思う。
この日だけは受験生っていうものから解放されるような気がするから…。



