15歳のラビリンス



「…とにかく、仁哉が帰ってこないと…ね?」



カンナはそう言って立ち上がる。


…確かに、ジンが戻ってくるまで泣いてるわけにもいかない。



ジンの手紙をカバンに入れると私も立ち上がった。



「でも、2年生がいないとほーんと静かだよねー。主がいないから、またここ使ってようか♪」


「…そうだね…」



大きくのびをしたカンナ。


私は少し笑いながらうなずいた。






君のいない場所で、私は少しでも君を近くに感じていたかった…。