どうして涙が出るのかわからない。 胸騒ぎだっておさまってくれない。 私は、カバンをかかえながら家に帰った。 家に帰っても、ただいまなんて言わなかった。 「姉ちゃんおかえり」 「…ただいま」 お風呂から出てきた、小学六年生の弟。 小さく返事をして、私は自分の部屋に入った。 ドアを閉めたとたん、さっきのジンの笑顔が浮かんでくる。 どうしてあんな事言ったんだろう…?