いつの間にか鏡夜は肘を立てて私を見下ろしていた。



まぶたに置いていた手を頬に滑らし、ゆっくりと撫でた。





『最後なのにあんなに泣いて、カッコ悪かったね、俺』



「そんなことないよ。鏡夜はいつだってカッコイイもん」




鏡夜が何気なく発した“最後”という言葉は聞かなかったことにして、私は小さく笑った。



頬に当てられた手に手を重ね、そっと目を閉じた。




『眠たい?』



「ううん…」



『じゃあ…誘ってるの?』



「へっ?」





誘ってる!?



驚いて目を開けた私の目の前には、少し意地悪そうに口元を緩めた鏡夜がいて。





「待っ…!」





その先の声を出すことは許されず、素早く鏡夜に唇を塞がれた。