『――――皐月』 ふいに鏡夜に呼ばれる。 「ん?」 笑みを浮かべたまま、勢いよく顔を上げる。 見上げた先にいる鏡夜もきっと―――。 「………鏡夜?」 笑顔の……はず。 『皐月』 再び私の名を呼んだ鏡夜の声は、どこか強張っていて。 私を見つめる黒い瞳は、何か静かな決意を秘めているように見えた。 スッと上がっていた頬が力無く下がり、私を見下ろす鏡夜の瞳を見つめ返す。 「…なに?」 声が……震える。 得体の知れない大きな不安の波が、ザワザワと心に打ち寄せる。