柔らかく微笑む鏡夜の顔が薄れて、代わりに眩しいくらいの光が私の視界に降り注ぐ。




――――……鏡夜?




ガタゴト…と、私の体を揺らす心地好いリズム。



どこからかそよいできた風が、私の頬を撫でる。





あれ…?



私、一体……?





「――――……つき」





……誰?



誰かが私を呼んでる。





「おい、皐月」





鏡夜じゃない…



この声は…





「やめとけ、朔夜。寝かしておいてやれよ」





サク…と楓?





「だってもったいないだろ。こいつ、こうゆう景色好きなんだから」



「それもそうだけど…まだ、完全に治った訳じゃないし」



「……シスコン楓」



「うるさいな」





拗ねたように楓が言葉を返す。



何が起きてるの…?