「大丈夫。俺もたいして上手くはないから…」
「……ちょっとだけなら、」
司様に手を差し出した
ためらいなく手をとる
恥ずかしい…
腰に手を回されて
そんなに痩せてない
のがバレてしまう…
「そこで回って…、そうそう」
「…すいません。」
ダンスは苦手…
「着物で踊るてのはやっぱり変だな…。」
音楽は流れてる
司様はすっと手を離した
「そうですね…、お洋服があまりありませんでしたから。」
時計がないから
音は靴音しかしない
「……」
沈黙…が
えっと何か話さなきゃ…
……言葉が出てこない
花柳様も
きれいだと思ったけど
司様もきれいだと思う
手が届かないから
綺麗に見えるのかもしれない…
ただ座ってるだけなのに
「仕事しないと1日ってこんなに長いんだな。」
古めかしい音楽と
司様の声が合わさっていて
少しせつなくなった
なんでかな…

