私は洋介さんに声を掛けた。



「どうした?」



「…典人さんに、もう会う事はないって事と、ごめんなさいって、伝えて貰えますか?」



洋介さんの後ろにちらつく典人さんの影。

整理しておきたかった。



「何かあった?」



「まぁ…;;」



私が口を閉ざすと、洋介さんは「わかった。伝えとくから気にすんな!」と、顔を引きずりながら笑った。

私は知らずにいた。

典人さんの笑顔に隠された過去の秘密を。

それはもちろん―…
陸兄や優さんたち4人も知らなかった事。

恐ろしい、過去を―――…。