陸兄も、一緒に帰って来るみたいだから。

内緒で連れて来てくれるみたい。

両親よりも、先に伝えたい私の気持ちを察してくれたんだ。

ボルシチを煮込みながら、牛肉が柔らかくなるように、お酒で漬け込む。

パンは発酵の時間を省く為、専用の粉を作って焼く。

ステーキは2人が帰って来てからで良いし、サラダもすぐに出来る。

パンが焼ける芳ばしい匂いを嗅ぎながら、お腹を撫でる。

白いバルーンワンピの上からでもわかる、蹴られてるお腹。

足の形が何となく出るんだ。



「後1ヶ月だから、そんなに暴れないで良いんだよ?」



この子と過ごした今日までは、本当に、早かった。