『神山ミコト』に連れて来られた場所は森下総合病院だった。
3階の病室に入ると『伊藤マサ』とお父さんと『白崎ナナミ』がいた。
なんでこの組み合わせが一緒の病室なのかはわからない。
だけど、お父さんが生きていたことだけが嬉しかった。


「アカネ、すまない。
連絡をしなくて………」

「お父さん」


私は泣きそうになった。
生きていてよかった。


「すまないが本題に入ってもいいか」


『伊藤マサ』が話し始めた。


「今まで、連絡をしなかったのはアカネが『W』の六代目総長を継ぐまで待ったからだ。
そして、本日めでたく就任した。
そうだよな」

「………」

「これで作戦の第一段階が終了した」

「何を言っているのよ」

「でも、そうだろ。俺は森下先生からそう聞いたが………」

「そうだ」


私は声のする方を見たら森下がそこにいた。


「本日をもって我々の総長はこの人だ」

「森下、なんであなたがここに………」

「すまない、総長。
しかし、総長の下に付く前の任務だったんだ。
すまない」

「私には何が何だかわからない。
最初から教えて」


周りの人だけが知っているのに私だけが知らない。
そんな状況の中で冷静でいられるわけがなかった。


「全ては『C』から始まったんだ」


『伊藤マサ』が語り始めた。