Infinite Information

そういうと、会場の空気の流れが変わった。
アカネは跳躍して夫を椅子ごと蹴った。
夫は椅子ごと壁にぶつかった。
ぶつかった瞬間にアカネが夫の左腕に『キャンセラー』を付けた。
付けると同時に今まで浮かんでいたものが地面に落ちた。


皆は歓声を浮かべた。

私は夫の方へ走った。


「アナタ…」


私は身体を叩いた。

夫は目を覚ました。


「ん…どうしたの」

「大丈夫…
どこか痛いところはない」

「どうしたの。僕は大丈夫だよ」


私はほっとした。


「ミコト」


私達はアカネを見た。


「ごめんなさい。
状況を説明するとね。
ヨシトが空間の粒子を乱したの。
その後、ミコトの周囲の粒子を弾かせて、触れられるまで粒子を拡散させたの。
そのためにミコトに怪我を…
怪我はないわね。
相変わらずどういう身体しているのよ。
アンタは…」


アカネは皆の方を見た。