Infinite Information

俺は金本の方を見た。


「我々の行動は『G』には知られていない。
そのため、なぜこの仮想世界から出るための鍵である『超越者』が存在するのか不思議に思っている。
彼らはこの問題を『バグ』と考えている」

「それを俺に言った何になるんだ。
それはそちら側の事情だろ」

「『選択の石』は仮想世界からでも破壊できる。
私からの忠告はそれだけだ」


俺は部屋から出た。
部屋を出ると扉の横にナツキがいた。


「アンタも金本と同じ種類の人間かぃ」


女性は何も答えず、下を向いた。


「そうかぃ」


俺はそのまま、アパートを離れた。
俺は金本の忠告の意味を考えた。
破壊できるということは、この世界から出口を壊せる。
やつの忠告は『時間がない』ってことか。
俺は金本からの情報を伊藤に伝えるべきかを考えた。

『ディベートするんだ』

俺は煙草を吸いながら話すべきか、話さないべきかを考えた。