Infinite Information

―――突然電話が鳴った。
僕は無視をしようとした。
一度鳴りやむが再度鳴り始めた。
僕は仕方がなく電話に出た。どうせ伊藤だろう。


「よう、今暇か」


伊藤の声が聞こえた。
僕の友達は伊藤だけであり、この時間にかけてくるのも伊藤だけだから予測はできた。


「うん、大丈夫だよ………」

「今からＨＦに来ないか」


食事のお誘いだ。


「やめとく。今お腹空いてないから………」


嘘だ。
朝から何も食べてない。


「そうか、ミコトを誘う前にアカネと山本、あとナナミに連絡したら今から来るって三人とも言ったんだけどな」

「………やっぱり、行ってもいい」

「ミコトは来ないらしいから、また明日な」

「今からＨＦに行く」

「30分後に会おう。それじゃあ」

「ちょっと待って。本当にナナミが来るの………」

「男に二言はない」


僕は電話を切った。