キスしたくなる唇に。



「…せ、せせせ先輩が先にやってきたんですからね!」



自分でも思う。

めずらしくあたしはたじたじで、今の選択肢はどうやら目を泳がせることしか許されないらしい。





「ふぅん…、さっきキスしてやったのに?」

「………え?」





一瞬で一気に汗の量が増えた気がする。
一瞬で一気に熱が上がった気がする。




「君が『キスしてほしい』って…」

「い、いいいいい言ってませんって!! ………てゆうかあれ、キスってあれ、夢じゃなかったの!?」




妙にリアルな夢だと思った!