次の日の放課後。
撮影した写真も焼いてしまったので、
早めに帰ろうと思って、
春樹と一緒に
優にいちゃんを迎えに行った。

美術部の部室を覗いていると、
天草先輩がおでこをさすりながら
出てくる。

「おでこ、どうしたんですか?」

「優一にキスしようと思って押し倒したら、
下から頭突きして逃げて行きやがった。
女相手に容赦ないよなあ、いたたたた」

春樹が複雑な表情で笑っていると

「あ、あんた優一の弟でしょ。
へー、かわいいじゃん。
タイプじゃないけど」

と、天草先輩が言った。

「千里、私の絵見せてやろうか」

いつの間にか
天草先輩に「千里」と呼ばれている。

「見たいです」

「おいで」