春樹は私のいとこだ。

優にいちゃんは、
春樹の一歳年上のお兄さんで、
もちろん私のいとこでもある。

今年の春から、
優にいちゃんの通っていた高校に
私も春樹も通うようになった。

自宅から電車で一時間もかかる
市外の高校。

わざわざこんな遠くの高校に通うのは、
その学校にデザイン科があったから。

私も春樹も、
中学校では浮いていた。
どこにも居場所の無い校舎。
居心地の悪い教室。
話しかけることも
話かけられることも無いクラスメイト。

春樹とも、
家ではたくさん喋ったけど、
学校でお互いに話すことは無かった。

だけど、優にいちゃんの通う高校は違った。
変な人がたくさんいて、
みんな個性的で、
誰も誰かを排除しようとしない学校。

どこかで浮いていた誰かが
たくさん集まっている
そんな空間。